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注目度が高まるHRテックの企業における活用領域とメリットデメリット

労働人口の減少により注目されるHRテック

少子高齢化による労働人口の減少に伴い、現在日本では業務効率化による生産性の向上や、人材の確保が企業における大きな課題となっています。一方、副業の解禁やテレワークの増加などにより、人々の働き方も多様化しています。こうした企業を取り巻くさまざまな環境の変化に対応するために近年注目されているのがHRテックです。

HRテックとは

近年、耳にすることも珍しくなくなったHR(Human Resources)とは企業における人的資源、すなわち人材です。経営の三要素は 「ヒト」、「モノ」、「カネ」ですが、この中でも最も重要なのは「ヒト」、つまり人材です。そこでHRでは単に従業員を労働力として捉えるのではなく企業にとっての資産と解釈します。そして、人的資源を企業の中核的な資産と位置づけ、かつその能力を引き出すことを目的とします。

一方、これらをテクノロジーによって実現しようとするのが、「Human Resources」と「Technology」を組み合わせた造語であるHRテックです。HRテックではAI(人工知能)、クラウド、ビッグデータといった最先端のデジタル技術を用い、企業の人的資源を活用することで、人事に関わる各種業務の効率化を実現します。

また、HRテックは労働人口の減少が社会問題化する日本はもちろん、世界規模で注目度が増しており、多くのベンダーからさまざまなツールが提案されています。

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HRテックの市場規模

HRテックに注目が集まっているのは、その市場規模をみても一目瞭然です。

ミック経済研究所「HRテッククラウド市場の実態と展望 2019年度版」によれば、日本国内では新サービスの投入や大手企業の導入加速により2018年度のHRテック市場は、256.4億円、2019年度では前年比136.1%、349.0億円に市場が拡大したとされます。また今後についても、2024年度には1,700億円に市場規模が」急拡大すると予測されています。

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HRテックが注目される背景

このようにHRテックの市場規模が急拡大している背景としては、次のような点が挙げられます。

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労働人口の減少に伴う企業の人材確保

少子高齢化による労働人口の減少によって限られた人的資源の中での生産性を向上させるためには優秀な人材の確保が欠かせません。このとき企業において人材確保の課題に直接かかわるバックオフィス(管理部門)を支えるのがHRテックです。HRテックでは多様な雇用形態をはじめ、従業員の多様性を考慮した最適な人材配置を実現します。

デバイスの変化

スマートフォンやタブレットの普及により現在ではこれらを従業員に貸与する企業も少なくありません。このため、HRテックに関しても管理部門の従業員以外が外部からでも場所や時間を選ばずに自身のデータを入力することが可能になり、人事関連の業務の効率化を目的として、HRテックの導入が各企業で進んでいます。

SaaSの普及

SaaS(Software as a Service)とは「サービスとしてのソフトウェア」を意味し、クラウドで提供されるソフトウェアです。従来のHRテックの導入はパッケージのソフトウェアを購入し、自社サーバで管理するオンプレミス型が主流でしたが、クラウド型サービスであるSaaSによって提供されるHRテックは定額課金で常にバージョンでサービスを利用できるほか、初期投資も抑制できることから中小企業でも導入が容易になりました。

HRテックにより改善される企業内の主な領域

HRテックではいわゆる人事部や総務部といったバックオフィスのうち、勤怠管理、労務管理、採用管理、人事評価、人材管理、教育・育成管理といった人的資源を軸としたさまざまな領域をカバーするサービスが提供されます。

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勤怠管理システム

HRテックにより改善が期待できるサービスとしてまず挙げられるのは勤怠管理システムです。勤怠管理システムは従業員の出退勤時間を管理するシステムで、勤務時間や残業時間・出勤日数などの管理を行います。

従来、企業における勤怠管理は勤怠管理はタイムカードやICカードなどが主流でした。しかしHRテックによる勤怠管理ステムは指紋認証やWEB打刻なども可能することで、打刻の間違い、打ち忘れなども防止します。

また、勤怠管理の自動化による業務の負担軽減はもちろん、シフト管理や欠勤・有給管理、残業基準の設定による働きすぎの抑制、各種給与ソフトとの連携による給与支払いの自動化なども可能です。

労務管理システム

労務管理システムは、バックオフィスにおける単純作業も自動化します。具体的には、社会保険や雇用保険、年末調整の手続きといった労使関係の管理作業です。これらの業務では、従業員の入退社や住所変更などによってそれぞれの書面作成と関係機関への提出・保管・管理を行わなければなりませんが、これらは非常に煩雑です。労務管理システムでは、さまざまな書類の作成を容易にし、役所やハローワーク、年金事務所への電子申請を可能にすることにより、大幅な工数削減を実現します。

また、システムによっては従業員が提出する書類をオンライン化できるフローも用意されており、テレワークなどでも書類提出が可能になります。

採用管理システム

数百人単位で人材を募集するような企業の場合、採用活動では履歴書やエントリーシート(ES)選考状況といった情報の管理は膨大な労力を必要とします。採用管理システムでは、こうした採用活動に関する情報をデジタル化して保存・管理することで選考業務の効率化が可能です。

また、面接日程の調整や求人サイトとの連携のほか、応募者の情報をデータ化し、分析を行うことで業務効率化にとどまらず、採用人材の質の向上にも貢献します。

人事評価システム

人事評価システムでは、従業員一人ひとりの能力や所有資格・経験などをデータベース化し管理を行います。これらは、人事担当者間の情報の共有や、プロジェクトメンバーの選定、昇給・昇格の際の判断基準として活用することが可能です。 一方、社内で不足しているスキルも確認できるため、採用管理にフィードバックし、人事募集の際の条件の絞り込みにも役立ちます。

人材管理システム

人材管理システムは従業員のスキルや経験、人事評価データを一元管理するもので、タレントマネジメントシステムとも呼ばれます。タレントマネジメントシステムでは従業員の社員情報や勤怠状況だけでなく、スキルや経験、人事評価データを一元管理し、個人の能力を可視化することで職務適性を考慮した適正な人員配置や、個別の育成プラン作成を容易にします。

さらに、入社・退社・異動の時期や退社理由といった個々の従業員の情報を管理することができ、離職要因の分析や人材のつなぎ止め、リテンション施策、人材育成などにも有効なシステムです。

教育・育成管理システム

この領域のHRテックは、学習管理システム(Learning Management System:LMS)とも呼ばれ、学習教材の配信や受講状況、成績などを統合して管理するシステムです。学習管理システムでは内定者研修、新卒入社研修、中途入社研修、リーダー研修、マネージャー研修などにおいて従業員のスキルアップを戦略的に支援するほか、教材費や会場費用といったコストも期待できます。 具体的には、テスト、アンケート、レポート課題などの学習教材の作成や適切な配信・保管・蓄積、受講者の学習の進捗状況や受講履歴、成績管理などがこれにあたります。

HRテックの導入費用

企業においてHRテック導入の第一段階となるのは多くの領域の中でも勤怠管理やそれに伴う給与計算、あるいは人事労務手続などです。これらは比較的規模の小さな中小企業でも導入効果が高く、提供されるサービスは従業員数に応じて1人あたり月々数百円が課金される従量課金制が主流となります。また近年ではサーバー設置費用や保守費用のかかるオンプレミス型のサービスではなく、手軽なクラウドサービスが主流となりつつあり、導入コストや運用コストが導入の障壁となることもあまりありません。

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HRテック導入のメリット

HRテックの導入は、バックオフィスを中心に企業にさまざまなメリットをもたらします。

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定型業務の削減

HRテック導入における大きなメリットのひとつは、定型業務の削減です。バックオフィスにおいてこれまで人為的に行われてきた操作や業務はHRテックによって自動化することができます。勤怠管理や給与計算、各種証明書の発行など定型業務を自動実行することで業務を効率化し、人事担当者の業務負担が軽減されることで、関連部署全体のリソースの削減が可能です。

また、社会保険の手続きや従業員の入退社手続きもオンライン上で処理できるため、わざわざ役所へ出向くような必要もありません。

戦略的業務への注力

HRテック導入によって勤怠管理や労務管理などにおける定型業務が削減されると、これらにかかっていたリソースを他の業務へ振り向けることができます。具体的には人材育成や採用計画など、バックオフィスにおける業務の中でも、より戦略的な業務に注力することが可能です。

生産性の向上

HRテックでは、人事評価システムなどにおいて、人事に関するさまざまなデータを定量的に分析し活用する機能が用意されています。こうした機能では、従業員の人事配置や業務管理により、組織のコンディションを整えることが可能です。これにより、従業員一人ひとりのポテンシャルが活かされ、生産性が向上が期待できます。

さらにHRテックでは組織内で単に目標を共有するだけでなく、業務の推進状況をチェックしたり、従業員の満足度を調査するツールなども備えられています。これにより、労働環境の課題をあぶりだし、より従業員が自主性を持って業務を推進することができます。

有能な人材の確保

熾烈化する人材獲得競争において、人材と企業間の密度を高め、優秀な人材確保することは非常に重要です。

HRテックのうち、採用管理システムでは、履歴書などからでは読み取れない企業文化とのマッチや、人材の志向性などの把握を容易にし、単純作業の効率化にとどまらない複雑な採用プロセスを管理し、自社に定着させるのに役立ちます。

意思決定のスピード化

バックオフィスににおいて特に採用業務などはこれまで属人的に行われ、結論までに時間を要するものでした。そこでHRテックでは、経営データと人材データを連携させるなどすることで短時間で採用後のパフォーマンスを予想し、人材の採用精度を高めます。

また、現状の従業員のスキルや能力も迅速に把握可能なため、企業戦略に適性ある人材を配置や業績向上にも役立ちます。

HRテック導入のデメリット

HRテック導入では、多くのメリットの一方で、デメリットも存在します。実際の導入では、それらも考慮しておかなければなりません。

組織課題とのミスマッチ

HRテック導入では組織課題を的確に把握し、それに合ったサービスを見極めなければなりません。しかしながらHRテックは急速に普及が進んでおり、多種多様なサービスが乱立しています。 そこで、人事戦略の中で、HRテックをどこに位置づけ、どのように活用していくかを明確にし、導入する必要があります。

無定量の基準に対する評価が難しい

HRテックはAIやクラウドを活用し、定量的なデータをもとに評価の客観性を担保しようとするものです。しかしながら日本企業ではこれまで長く「意欲」や「能力」、「マナー」、「チームワーク」、「情意」「潜在能力」といったいわゆる無定量の基準が評価対象とされてきました。しかし、こうした無定量の基準が定量的なデータに基づき評価を行うAIによって解析されると、分析評価が査定にどんな影響を与え、客観性がどのように担保されているのかを従業員の納得に基づき明確にすることが求められるようになります。

人員削減の口実となる可能性がある

HRテックは本来、生産性向上を目的として導入されるものです。しかしながら必ずしも従業員の職場環境の向上に結びつかず人事評価を口実とした配転や整理解雇などの従業員選別につながることがあります。 このため、HRテックの導入では、活用には限界があることを前提とした慎重な運用により従業員が抱きがちな懸念を払拭することが求められます。

適切な運用により企業経営の支援にもつながるHRテック

ここまでのようにHRテックはいずれのサービスも人事関連のデータや、リアルタイムな状況把握を可能にするものです。また、バックオフィスの効率化だけでなく、従来勘と経験によりブラックボックス化していたさまざまな人事データを数値化、あるいは可視化することができます。

これにより、人事戦略の最適解を導き、人事業務の向上、さらには企業経営の支援に結びつきます。

ただしこれらを実現するには、システム任せの判断だけに依らない、適切で客観性が担保された運用が欠かせません。

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たくさんの書類は
もういらない

Kanlyは入社・退社や勤怠、各種申請書類などにかかる手続きを一元管理し、労務管理にかかる時間やコストを大幅に削減します。

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